●捨てられたロイコ

半年前、田舎の公園のベンチに捨てられていた人型人工ペット「ロイコ」を拾った。

赤髪のツインテールが可愛らしいが、全身ボロボロだ。幸い、機能には問題がないようなので、開発中の愛称といわれている「チノノ」という名前を付けて、大切に育てた。

拾ったばかりの頃は、捨てられた事にショックを受け口数が少なく、何をするにもこちらの機嫌を伺うように怯えていた。

だが、先住ロイコの優しい先輩ぶりもあって、現在はまるで騒がしい小鳥のように元気いっぱいに動き回っている。

チノノは愛玩型なので特別決まった役割を与えてはいないが、テンションが上がると先住ロイコの手伝いをしてくれている。とてもいい子だ。

そんなある日、チノノが「もう勉強が終わったから遊ぼう!」とはしゃぎ始めた。

しかし、ノートには今日の勉強をやった形跡が皆無だった。

先住ロイコが買い物に行っている時間だったので、嘘を言ってはだめだよときちんと教えることにした。お尻で。


●小型アンドロイド「LEUKO(ロイコ)」シリーズ

「LEUKO(ロイコ)」シリーズは、家庭用の人型人工ペットとして造られた小型アンドロイド。

能力的にバランスのとれた家事型の8番、万能で伴侶のように振る舞う配偶型の9番、心理学の知識を持ち家族や友達として振る舞う愛玩型の11番、業務をサポートしスケジュールや情報全般を管理する秘書型の13番、医療の知識を生かし病や障害を持つオーナーを支える介護型の32番の計5タイプが量産モデルとして販売されている。

5タイプとも、充電やOSアップデートを自律的に行い、新しい単語を教えると内蔵辞書に、情緒等を教えると知覚フォルダに登録・追加し学習する。


●ロイコシリーズ愛玩型(11番)

正式名称は「LEUKO.11‐ear」。開発中の愛称は「チノノ」。
淡い紅色のねじねじツインテールと人懐っこい性格。

普段は遊びモード全開で過ごすが、主や家族が困っていると一生懸命助けてあげようとし、話を聞いたり仲裁に入ったりしてくれる。


●音声内容

音声の長さは21分57秒です。

1.捨てられていたロイコ(赤)を拾い「チノノ」と名前を付ける
2.3ヶ月経つと「大きくなったらカウンセラーになりたい」と話してくれる
3.半年経つと元気に遊びに誘うようになる
4.ますたーと遊びたくて、お勉強終わったと嘘をつく
5. チノノにお尻ぺんぺんする
6.元気のないますたーを励ましてくれる
7.ますたーのお尻をなでなでしてくれる
8.ますたーのお尻を恐る恐る叩いてくれる
9.ますたーのお尻をもっと速く叩く
10.ご褒美にチノノのお尻を撫でてクンクンペロペロしたら、チノノがおならをしてしまい、恥ずかしさで泣きながら家出する