中学生の頃、一週間の家出騒動を起こした橘薫は、 当時の担任教師・霜月深玲におよそ一週間匿ってもらったことをきっかけに、 初恋と失恋の両方を経験していた。

一時は接触禁止状態だったが、およそ二年後。
高校生に上がった薫と、新たな職に就いた深玲は、あることをきっかけに再会。
以来ふたりは、友達以上恋人未満の関係となった。

深玲は薫の自分への依存に危機感を覚え薫との関係に一線を引こうと思いながらも、 色んな想いに蓋をして、心地好い曖昧な関係を続けていた。

深玲が薫に決定的な一言を告げようとしたある日、 物憂げな顔をして海を眺めていた薫の同級生・栞里と出会う。
深玲は栞里に興味をもち、事ある毎に薫だけでなく栞里のことも誘うようになった。

「センセイからのお誘い。すごく嬉しいはずなんだけど―― 私ひとりじゃなくて、栞里も一緒にってとこが少し、気になった」

関係が終わりにならなかったことに安心するのも束の間、薫は深玲の思惑に気づいていく。
深玲に対して不信感を抱く薫にも、深玲はのらりくらりの態度を崩さない。

一方で栞里は、薫と一緒に過ごす時間をかけがえのないように感じていき——?