◆あらすじ

ここはあなたの家。契約した賃貸の一室。
駅近、コンビニ徒歩二分、陽当たり良好、オートロックにエレベーター附き。
敷金不要即入居可、なによりほかの部屋より五万円も安い……告知事項あり物件。
かつてこの部屋はバラバラ殺人の遺棄現場だった。
年若い妊婦の子宮と胎芽だけが発見せられ、残りの“バラバラ”はすっかりトイレへ流されたのだという。
だから──トイレに出るらしい。
我が子を産み直そうと、子種を求める女の幽霊が。
大家さんは、約束さえ守れば問題ない、とひと好きのする表情を浮かべていた。
停電。まっくら闇のなかあなたはトイレへ急ぐ。
我慢できない漏れそうだ。ひと月なにもなかったのだし大丈夫だろう。
扉を閉める瞬間、ふいに大家さんとの約束が脳裏を掠めた。

──トイレにひとりで入らないこと。
──トイレの電気を消さないこと。

女性の幽霊 CV恋鈴桃歌

バラバラ殺人せられた妊婦の霊が流されたトイレに出るとのウワサ。
大家との約束を守りさえすれば害はないようだ。

外池礼子を探してください。